とても面白かったので書き留めておきます。
今回読んだ本は以下です。
本作は長篠の戦いについての話で、この戦いの内容や、戦いの結末は多く語られるところです。しかし本書では長篠の戦いに至るまでの「血が流れない戦い」に否応なく巻き込まれる3人の武将、「武田勝頼」、「徳川家康」、「羽柴秀吉」が描かれている。
読んだときの気持ち
長篠における「合戦」が爆発点とすると、そこまでには三者三様の苦労、苦悩、ストレス、努力、諦めなど、膨大な感情と事象が発生している。そしてそれらが爆発に対するエネルギーとなっており、圧縮されていき、合戦という場で昇華する。ある意味では相反するものたちの必死の行動が一つの花火となる芸術みたいな感覚に囚われました。
結果は知っているが・・・
歴史である以上、結果は知っているが、そのプロセスの真実は誰にもわからない。真実はこうでないだろうか?という憶測を長篠に集約していき、合戦を俯瞰的に見れる感覚は本当に素晴らしい。
事実を淡白に羅列するのではなく、そこにさまざまな感情や思いが、それぞれの立場であるため、白黒、勝敗という結果だけではない奥深さがあった。